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立てる rear oneself | 2004 |

立てる
2004.11
インスタレーション(ギャラリー芽楽)
オーガンジー・糸・光
photo by Shinichi Oosuga
そこらで摘んだクローバーを部屋に持ち帰り、水が入ったコップへ放り込む。
数日すると、光が差し込む方向へ細長く湾曲しながら茎を伸ばしていく。
昨今の不安定で暴力的な世情に目を向けるほど、鬱々とした気分になるのが常日頃だ。
そして日々流れ出る情報は、いつしか濁流となって足下のさがしものを判らなくさせる。
以前、何かのはずみで死ぬことを考えたことがある。
そして同時になぜ生きるのか、生きようとするのかを考えた。
理不尽に日陰に置かれたクローバーは、肉を落とし、根をうねらせつつ、
貪欲に生き延びるための光を求めて、茎を伸ばし、葉を広げている。